株式会社富士エコー様

物流現場の課題を解決!Webアプリ導入で誤配送ゼロを実現

  • システム開発

  • 物流業

“ ネイティブアプリと比較して構築コストを抑えつつ、現場で求められる操作性と柔軟性をしっかりと備えたシステムを実現することができました ”

システム部

篠原様

  • 株式会社富士エコー様事例_BeforeAfter

株式会社富士エコー様は、冷凍・冷蔵・常温の三温度帯に対応した物流センターの運営をはじめ、運送・倉庫・貿易代行・情報システム開発など多彩なサービスを展開する総合物流企業です。 1979年設立、フジパングループの一員として、全国に拠点を持ち、高品質な物流ソリューションを提供されています。
今回は、食品の配送業務を支えるシステム部の篠原様に、配送検品システム導入の背景や、導入後の効果についてお話を伺いました。

1.導入背景

HT端末の限界と運用負荷の課題

Q:従来の配送業務における課題と、新システム導入の背景について教えてください。
A:これまで、パンなどの食品を各店舗や取引先へ届ける配送業務において、誤配送を防ぐためにハンディターミナル(以下、「HT」) を活用していました。配送業務では、ドライバーが出発前に積み込む商品を確認し、納品先ごとに正しい商品を届ける必要があります。そのため、ラベル内のバーコードを読み取り、配送指示と照合する作業が不可欠です。

従来使用していたHTは「バッチ転送型」と呼ばれる仕組みで、データをリアルタイムで送信することができず、端末に蓄積した情報を、事務所で専用クレードル(端末を接続する台座)に接続し、PCを介して基幹システムへ転送する必要がありました。この運用にはいくつかの課題がありました。配送後にドライバーが必ず事務所へ戻る必要があり、業務の柔軟性が損なわれていました。また、クレードルと専用PCが必要なため、協力会社では利用できず、誤配送防止の仕組みを社外に展開することが困難でした。さらに、データ転送の操作が複雑で、人的ミスの原因にもなっていました。

弊社では複数の協力会社が配送を担っているため、こうした専用機器に依存した仕組みでは全体への展開が難しく、誤配送防止の徹底ができませんでした。

そこで、運用コストの削減ユーザビリティの向上、そして配送状況の可視化を実現するために、より柔軟で展開しやすい新しいシステムの導入が必要だと考えました。

  • 株式会社富士エコー様事例_導入背景

2.採用理由

Android端末の活用とWebアプリの可能性

Q:採用にあたっての検討ポイントについて教えてください。
A:もともと配送トラック内の温度管理を目的として、すでにAndroidスマートフォンを業務に活用していたことから、これを配送検品業務にも応用できないかと考え、CISに相談したのが今回のシステム構築のきっかけです。

当初は、スマートフォンにインストールして使う「ネイティブアプリ」の開発を想定していましたが、CISからは、ブラウザ上で動作する「Webアプリ」のご提案をいただきました。ただし、配送先の中には電波が入りづらい地域もあるため、Webアプリでは安定した運用が難しいのではないかという懸念がありました。また、バーコードの読み取り性能についても、従来のHT端末に比べて劣るのではないかと不安を感じていました。

しかし、CISから提示されたデモアプリを通じて、Webアプリでもオフラインでの運用が可能であること、さらにスマートフォンのカメラを活用して高精度なバーコード読み取りができることを確認でき、技術的な不安は解消されました。

加えて、Webアプリはインストール不要で、OSのバージョンにも左右されにくいため、協力会社への展開もスムーズに進められます。開発コストを抑えられる点も魅力で、運用面でも優れていると判断しました。こうした理由から、最終的にWebアプリの採用を決定しました。

3.解決方法

Webアプリによる柔軟かつ高機能なシステム構築

Q:新システムの導入にあたって、現場での展開や設計面で工夫された点について教えてください。
A:新たに構築されたWebアプリは、インストール作業が不要なため、現場への展開が非常にスムーズでした。端末に特別な設定を施す必要がなく、URLを共有するだけで誰でもすぐに使える状態になるため、導入時の準備作業の手間を大幅に削減できました。

さらに、特定の機種やハードウェアに依存しない設計となっているため、端末の入れ替えにも柔軟に対応でき、長期的な運用にも適したシステムになったと感じています。

システム設計においては、従来のHT専用機に劣らないバーコードスキャンの精度と操作性を確保することを重視しました。暗い場所での作業にも対応できるようライトのON/OFF機能を搭載し、バーコードの読み取り完了を音で知らせる機能も実装されています。

これらの工夫により、一般的なAndroidのネイティブアプリと比較して構築コストを抑えつつ、現場で求められる操作性と柔軟性をしっかりと備えたシステムを実現することができました。

  • 株式会社富士エコー様事例_解決方法

    ▲ 新たに導入したWEBアプリ

4.導入効果

現場対応力と誤配送防止を両立する新システム

Q:新システム導入によって、現場の運用面でどのような改善がありましたか?
A:これまでは、HT端末が故障した際、予備の端末を用意するか、紙に手書きで記録するなどの対応が必要でした。しかし、新システムでは、インターネット接続可能なスマートフォンさえあれば、機種やOSを問わずすぐに利用できるため、トラブル時の対応が格段にスピードアップしました。アプリのインストールも不要で、現場での負担が大きく軽減されています。

また、HTとAndroid端末の2台持ちを避けたいという現場の声にも応えることができ、既存のAndroid端末を活用することで、機器の統一と業務の効率化を図ることができました。

Q:新システムの機能面や、現場からの評価について教えてください。
A:特に驚いたのは、専用端末に劣らないバーコードの読み取り性能です。多種のバーコードに対応しているほか、暗所でも使えるライト機能や、読み取り完了を音で知らせる機能など、現場での使いやすさを細かく配慮した設計になっており、ドライバーからも非常に好評です。スマートフォンの操作に慣れていることもあり、新しい画面や操作方法にもすぐに馴染むことができ、スムーズに新システムへ移行できました。

さらに、Webアプリとして構築されたことで、協力会社にも同じ仕組みを展開できるようになり、誤配送防止の体制を全体で整えることができました。結果として、業務の品質向上にも大きく貢献していると感じています。

  • 富士エコー様事例_WEBアプリ活用の様子

    ▲ WEBアプリ活用の様子

5.今後の展望

さらなる配送先への展開

Q:今後の展開や、システムに期待していることがあれば教えてください。

A:現在の成果を踏まえ、今後はこのシステムを他の配送先にも順次展開していく計画です。

これにより、より広い範囲で業務の効率化と誤配送の防止を実現し、全体のサービス品質向上につなげていきたいと考えています。

会社名:株式会社富士エコー
URL:https://fujiecho.com/
事業内容:
冷凍・冷蔵・常温の三温度帯物流センター運営を中心に、外食産業向けの原材料・資材の仕入れから保管・配送までを一貫して担う総合物流サービスを提供

CIS担当者

“現場での負担を少しでも軽減したいという想いから、お客様と使い勝手を徹底的に追求しながら構築いたしました。 オフライン対応や高精度なバーコード読取など、難しいご要件もいただきましたが、新たなチャレンジを重ねることでご期待に沿うことができ、嬉しく思っております。 今後も変わり続ける現場のニーズに対応できるよう、お客様と共に価値を創造して参ります。”

DX開発推進部

SE久保