水戸市様

高額改修費からの脱却と自走運用へ!kintone×kinveniが実現した自治体DX

  • CISオリジナルkintoneプラグイン

  • 自治体

“ CISという心強いパートナーと、今回培った内製の経験があれば、今後どのような業務課題にも柔軟に対応していけると感じています ”

デジタルイノベーション課

小林様

市内約400か所の指定ごみ袋取扱店から寄せられる年間約2600件の注文。
その受注から配送、精算までを一貫して管理する「ごみ収集袋等管理業務」は、自治体にとって欠かせない日常業務のひとつです。

しかし、長年利用してきた既存システムは、改修コストの高騰や属人化など、運用上の課題が顕在化していました。こうした状況を打開するため、水戸市様は kintone を基盤に、kinveni(キンビニ)シリーズを含む複数の連携サービスを活用した新システムの構築に踏み切りました。

本記事では、市役所内のデジタル推進を担い、今回のシステム構築も担当されたデジタルイノベーション課の小林様と、実際にシステムを活用されているごみ減量課の柴様にお話を伺いました。kinveniシリーズ QR・バーコード読み取りの導入背景や、導入後に得られた効果について詳しくご紹介します。

  • 水戸市様事例_BeforeAfter

お客様紹介

水戸市は、東京から北東へ約100kmに位置する、茨城県の県庁所在地です。徳川御三家のひとつである水戸徳川家の城下町として発展してきた歴史あるまちで、「水戸黄門さま」として親しまれる徳川光圀公でも広く知られています。
市内には、日本三名園のひとつである偕楽園をはじめ、特別史跡の弘道館、芸術文化の拠点となる水戸芸術館や水戸市民会館など、魅力的なスポットが数多く存在します。
近年は、サッカーJ1リーグに昇格した水戸ホーリーホックや、バスケットボールB1リーグで活躍する茨城ロボッツなど、プロスポーツの盛り上がりも加わり、地域全体が活気にあふれています。

  • image_水戸市

1. 導入背景

ベンダー依存による高額な改修コストと業務の属人化

Q:旧システムからkintoneへの移行を検討することになった背景を教えてください。

A:私たちが抱えていた最大の課題は、既存システムの維持・改修にかかるコストでした。制度改正やごみ収集袋の取扱品目追加のたびに外部ベンダーへ改修を依頼する必要があり、その都度まとまった費用が発生していました。直近でも、品目追加と料金改定に伴い高額な見積もりが提示され、このまま改修を繰り返す運用には限界を感じていました。さらに、過去の注文データがローカル環境に蓄積され続けていたため、システムの動作が重くなり、日常業務に支障が出る場面も増えていました。

もう一つの課題は、システムが特定の1台のパソコンでしか利用できなかったことです。そのため、受注処理や請求書発行といった業務が特定の職員に集中し、担当者が不在になると業務が滞ってしまうリスクを常に抱えていました。「特定の場所、特定の人でなければ対応できない」という状況を解消し、部門全体で業務を共有・分担できる体制へ移行する必要性を強く感じていました。

  • 水戸市様事例_導入背景

そうした中、現状を打破するきっかけとなったのが、当市のDX推進をサポートいただいている大塚商会様でした。
まずは無料相談会等を通じて当市の課題を深くヒアリングしていただき、その解決策としてkintoneをご提案いただきました。相談会では、kintoneが持つ拡張性や可能性を提示してくださったほか、単なるツールの導入支援にとどまらず、将来的なDX推進や人材育成の観点からも的確なアドバイスをいただいたことが、採用への大きな後押しとなりました。

その後、サイボウズが提供する「キンゼミ*」にも参加させていただき kintone を学びながら、庁内で困りごとを募集し、実際の課題を題材にスキルを習得していきました。学びを進める中で、kintoneの連携サービスやプラグインのさらなる可能性を知り、そこで kinveniシリーズについても認知しました。こうした経験を通じて、最終的にkintoneと複数の連携サービスを組み合わせた新たなシステムへ移行することを決断しました。

* 自治体向けkintone研修。kintoneの基本の使い方習得から、実際のアプリ作成までが学べるオンデマンドの勉強会。

2. kinveni採用の決め手

改善要望へのスピーディーかつ真摯な対応姿勢が決め手に

Q:kinveniシリーズを採用された決め手を教えてください。

A:kintoneへの移行を検討する中で、現行の業務フローを維持しつつ、旧システムと同等のスピードで処理できる仕組みが求められていました。
特に、バーコードを使った "連続読み取り" によるステータス更新は、日々の業務に欠かせない必須要件でした。しかし、検討当初のkinveniにはこの機能が未実装でした。

そのような中で転機となったのが「Cybozu Days 2024」です。CISのブースで「連続読み取り機能がなければ実務投入は難しい」と率直に相談したところ、担当者の方が要望を真摯に受け止め、わずか1か月足らずで要望を反映したβ版を提供してくれました。言葉だけの説明ではなく、実際に動くデモを短期間で提示してくれたことで、「現場の声を聞き、すぐに形にしてくれるパートナー」であることを強く実感しました。

最終的な決め手となったのは、機能面の充実だけではありません。自治体の現場が抱える課題を理解し、改善に反映しようとする姿勢そのものが、私たちにとって大きな安心材料となりました。現場とともに成長していける製品・パートナーだと確信し、kinveniシリーズ QR・バーコード読み取りの採用を決断しました。

3. 解決方法

Q:旧システムで抱えていた課題に対して、どのように解決を進めていったのでしょうか?
A:まず、私たちは kintone と kinveni を含む連携サービスを組み合わせて新しいシステムを構築し、旧システムと同じ業務フローを再現しました。その際、ステータス更新の要所に kinveni の "連続読み取り" を取り入れたことで、従来のシステムと比べても、同等以上の処理スピードを実現することができました。

  • 水戸市様事例_ゴミ袋注文処理の流れ

今回の構築作業は、業務の合間を縫って進めながらも、実質2週間程度で完成しました。
短期間で旧システムと同等のフローを再構築できたことに加え、今後は追加の改修コストをかけずに運用できるようになった点も大きな成果です。

4. 導入後の効果

Q:システム移行後、現場ではどのような改善や効果が見られましたか?
A:私たちは大きく3つの効果を実感しています。

① 継続的に発生していた改修コストを大幅削減

今回の導入で最も大きな効果は、継続的に発生していたシステム改修費を大幅に抑えられたことです。ごみ収集袋等の管理業務は制度改正や品目追加が多く、旧システムでは数年おきに100万円規模の高額な改修費が発生していました。直近でも、品目追加に伴いベンダーから高額な見積もりが提示され、負担の大きさを強く感じていました。kintoneへの移行と内製化により、こうした改修に外注費用をかけずに対応できるようになり、今後繰り返し発生する可能性のある改修コストを抑制できる点は、財政面でも大きな効果だと感じています。

②「特定PC・特定の人」に依存しない体制へ

業務の属人化が解消されたことも大きな効果です。これまでの旧システムは特定のPCで稼働しており、操作に慣れた担当者だけが対応できる状況でした。そのため、担当者が不在になると業務が滞るリスクが常にありました。
現在は、ブラウザ環境さえあればどの端末からでも同じ業務が行えるようになり、バーコードを使った操作によって作業手順も標準化されました。実際に業務を担当するごみ減量課の職員からも、「操作が簡単になり、誰でも対応できるので引継ぎや分担が楽になった」という声が上がっています。結果として、安定した業務運用につながり、部門全体で柔軟に業務を回せる体制を築くことができました。

③ ベンダーに依存しない“内製運用体制”を確立

今回のシステムは、ごみ減量課と連携しながら、デジタルイノベーション課が主体となって構築しました。プラグインを活用することで、これまで外部委託が必要だった機能も自分たちで実装できるようになり、軽微な修正から制度改正に伴う大きな変更まで、迅速に対応できる体制が整いました。

現場からの「もっとこうしたい」という要望にもすぐ応えられるようになり、「以前より対応が早くて助かる」と好評です。自分たちの業務システムを自分たちで改善できる環境を整えられたことは、自治体DXの大きな前進だと感じています。

また、職員自身がシステムの調整や改善に取り組めるよう、kintoneのスキル育成も進めています。
将来的には、現場だけでシステムを維持・発展させられる“自走運用”を目指しています。

  • 水戸市様事例_ごみ収集袋等管理アプリの画面

    ▲ 実際に活用されている「ごみ収集袋等管理アプリ」の画面

5. 今後の展望

内製化の成功を起点に、庁内全体へ広がる業務改善の可能性

Q:今後実現したいことはありますか?

A:今回、kinveniシリーズを活用したことで、バーコードリーダーなどの機器を扱う業務システムであっても、職員の手で過度なコストをかけずに構築・運用できることを実証できました。これは単なる一業務の改善にとどまらず、「自分たちで業務を変えられる」という大きな成功体験になったと感じています。この事例をモデルケースとして、今後は他課や他業務にも横展開し、「ツールに業務を合わせる」のではなく、「ツールを使いこなして業務を変える」という文化を庁内全体に広げていきたいと考えています。

また、本アプリは今後も制度改正やオンライン受注などの運用改善に合わせて改修を予定しており、その他の業務アプリについてもkintoneやプラグインを活用した改善のアイデアが多数あります。

CISという心強いパートナーと、今回培った内製の経験があれば、今後どのような業務課題にも柔軟に対応していけると感じています。

  • 水戸市様事例_kinveni活用の様子

    ▲ kinveniを活用している様子

会社名:水戸市
URL:https://www.city.mito.lg.jp/
事業内容:
茨城県の県庁所在地。東京から約100kmに位置し、かつては水戸徳川家の城下町として栄えた地域。日本三名園の偕楽園や弘道館など歴史資源が豊富で、名産の納豆や梅の町としても広く知られている。