安田金属工業株式会社様

IoT連携と完全ペーパーレス化を実現したDX時代の基幹システム

  • インフラ構築

  • 製造業

“「すべてはお客様のために」 この理念にゴールはありません。”

代表取締役社長安田 立明 様

お客様ご紹介

安田金属株式会社様は、「商いは利益の追求ではなく、幸せの輪づくり!二人三脚、三人四脚で幸せを共有し社会の発展に貢献」の経営理念のもと、アルミ製品の製造販売のビジネスを営んでおります。営業会議では数字(売上)の話は一切なく、お客様満足度向上に関わる話がメイン。常にお客様の視点に立ち、「取引して良かった」と言ってもらえる会社である為に、人と人とのつながりを大切にできる社員教育、何事にも前向きにお客様のご期待に応えることができる。そのような企業を目指し、日々研鑽に努めております。

ご検討の背景

Q:基幹システムの刷新に踏み切るに至ったきっかけ理由をお聞かせください。

安田聡美氏:現行システムには多くの問題があり、基幹システムを構築したベンダーと疎遠になっていました。業務に影響する不具合も人手でカバーしていましたので、担当者にはかなりの負担だったと思います。新たなことへチャレンジするために構築したはずのシステムが大きな足枷となっていました。人手でカバーし続けた結果、業務の属人化を招いてしまい担当者が休みも取りづらい状況になっていましたので、これが続くとお客様に迷惑をお掛けする事になるのではと感じたことが再構築を考えたきっかけでした。

Q:それでは再構築をCISに依頼した理由は何でしたでしょうか。

安田聡美氏:新たなことへチャレンジするために構築した基幹システムでしたが思い描く姿に辿り着けませんでした。私たちが思い描く姿を実現に導いてくれる信頼できるベンダーの存在が必要不可欠と感じていました。CISさんを採用した一番の理由は、システム構築のプロフェッショナルとして期待できるベンダーであったことです。システム再構築にあたっては過去のこともあり不安な気持ちを抱えていました。CISさんは提案の過程において、安田金属のことをしっかり調べ、課題を整理・分析し解決策を提示してくれたのですが、その中でシステム構築の進め方や構築方法の選択肢(パッケージ案、当時システムの解析・修正案、スクラッチ開発案)メリット・デメリットをシステム構築の知見がない私たちに丁寧に大変分かり易く説明してくれました。まだCISさんに正式にお願いすることを決める前にも関わらず、SEさんを入れて3~4ヶ月の期間、不安に思う私たちに寄り添い対応していただいた姿を見て、CISさんの本気度とシステム構築の経験に基づく提案内容から、システム構築のプロフェッショナルとして期待できると評価しました。

プロジェクトについて

Q:プロジェクトの目的についてお聞かせください。

安田立明氏:すべてはお客様に喜んでいただくために。システムへの投資もお客様のためです。安田金属の強みは、お客様のためにチャレンジできる風土だと考えています。他社が避けるような難しい要求にも果敢にチャレンジします。失敗することもありますが、失敗も一つの財産となり技術力向上に繋がっています。常にお客様のことを考え行動していますが、作業に追われる状況では、お客様に心を寄せて考えるゆとりもチャレンジする時間も持てません。ITで今の仕事を楽にして情報の共有・可視化で新たな気付きを得られるようにすることで、さらにお客様に喜んでいただくための仕事ができると考えています。

Q:プロジェクトを進めるなかで感じたことやご苦労されたことをお聞かせください。

岡崎登氏:プロジェクトは2018年8月にスタートして2020年6月より本稼働しました。プロジェクトの途中、工場設備の故障やコロナによる緊急事態宣言、本稼働直後は不具合問題もあり、決して順風満帆ではありませんでしたが、安田金属・CISさん双方で協力して何とか乗り切り、ここまで来ました。私は常日頃、これは何のためにやっていることなのかという目的意識を持って考え判断するようにしています。システム構築では要件定義での取り決めに基づいて開発をしますが、大変失礼な言い方かもしれませんが、言われたことだけをするのではなく常に目的から何が必要かを考えて欲しいという想いがあります。CISさんからすれば言われていないことを求められるので困ったこともあったと思います。いまは会話を繰り返して考えを共有できていますが、プロジェクトの早くの段階で考えを共有できていればと振り返っています。
本稼働して8ヶ月が経ち、いまは安定稼働に入っている状態です。

新システム導入効果について

Q:新システム導入による効果はいかがでしょうか。

岡崎登氏:私は岐阜工場長ですので担当範囲の工程に関してお話します。新システムでは不良を削減するため、旧来受注単位で把握していた製造実績をラック単位で把握するよう変更しました。アルミの品質は押出工程で決まる要素が多いのですが、押出経過(最初・中間・最後)で品質が変わります。受注単位の実績からは不良発生時点を特定できないため、原因の分析が困難でした。新システムでは不良発生時点を特定するため、押出したアルミを載せるラック単位で実績を登録するようにしました。現場の負担を軽減するために、ラック情報はIoTで取得して登録画面に自動表示する仕組みにしました。不良発生時点を特定できるようになり、効果的な原因分析ができる環境が整ったことが大きな効果です。今後は不良削減目標の達成に向けて、不良発生時の状況をIoTで可視化して分析することにチャレンジしたいと考えています。不良削減により現場の仕事が楽になり余裕が生まれ、さらにお客様のご要望にお応えできるようになることが最終目標です。

安田聡美氏:私は出荷を管轄していますが、配送時の配車計画をシステム化できたことで課題であった属人化を脱却できる仕組みが整ったこと、配車作業が効率化できたことで業務負担の軽減に繋がりました。また、お客様に製品を出荷する役割上、工程の進捗に目を配ります。以前は携帯で工程担当に進捗を確認したり、現場に足を運んでものを探したりする運用で、お客様にお約束した納期を守ることに注力していました。当たり前のようにやってきた運用ですが、システムを使えばもっと楽に運用できると考えていました。新システムではIoTを使ってタイムリーに実績登録するようになったため、事務所で進捗を照会画面で確認できるようになり、聞く手間・探す手間がなくなり、事務所に居ながら、必要な指示を出すことができるようになりました。出荷はお客様にものをお届けするためにトラックに積んで送り出す業務ですが、その先のお客様は、納品されたものを受け入れて検品し保管する業務を行います。安田金属の出荷は、お約束した納期を守るだけではなく、どうやって納品したらお客様の受入業務が楽になるかを考えることが重要だと考えています。納期を守るための進捗確認業務が楽になったことで、お客様の受入業務を楽にするための出荷を考える時間が増えたことが、本当の意味での成果だと感じています。また、IoTと連携した実績収集により、タイムリー性に加えて正確性も増しましたため、毎月の棚卸業務をとても楽に行えるようになりました。

システムの特徴

Q:再構築した基幹システムのシステム面での特徴を教えて下さい。

安田博志氏:安田金属の基幹システムは30年以上に渡りIBM i(AS400)をサーバーに運用してきました。システムが止まることがなく信頼でき、運用の手間もないことから、新・基幹システムもIBM i をサーバーとして利用することにしました。昨今はセキュリティのことも考慮しなければなりませんが、セキュリティ面においてもAS400は安心でした。

アプリケーションはクライアント・サーバー型アプリをスクラッチで開発しました。クライアント側のアプリ開発はスタンダードなC#を採用。生産性やメンテナンスを考慮して独自のフレームワークを作り開発を行いました。機能面での特徴は、IoTと基幹システムの連携です。ラック情報を実績登録アプリに、製造指示情報を後面設備にIoT連携させました。もう一つの特徴は、現場の指示書をタブレットを使ってペーパーレス化したことです。指示書に手書きする運用をタブレットを使い実現しました。基幹システムのテキスト情報と合わせてタブレットで手書きしたイメージを紐づけて保存。照会機能からテキスト情報と合わせて手書きイメージも参照できるようになっています。

今後の展望

Q:今後の取り組みについてお聞かせください。

安田立明氏:“すべてはお客様のために” この理念にゴールはありません。飽くなき追求が必要であり、そのために一番大切なものは “人” だと考えています。安田金属の財産、それは社員です。社員が日頃からお客様のために頑張ってきた結果が、今の安田金属です。そして、今後も理念を追い続けるため、社員の幸せのため、社員の教育に力を注いでいきます。社員の育成には時間が必要ですので、日頃の業務を楽にこなせる仕組み作りが重要です。私が目指すところ、それはスマートファクトリーです。新・基幹システムでも実績収集にIoTを、ペーパーレスにタブレットを活用して、アナログの多い基幹業務のデジタル化を促進させました。進化するITのテクノロジーを積極的に取り入れてデジタル化と自動化を図り、スマートファクトリーを実現していきます。また、育成における大きな課題 “巧の技術の継承” この課題解決もITを活用してチャレンジいたします。直近は2021年1月より基幹システム2次Stepをスタートしました。売上・請求と仕入・支払の業務を再構築しています。昨今はDXへの取り組みが盛んです。売上・請求業務はDX適用事例も多い分野でもあり、お客様から要望されるケースも出てくることが想定されますので、業務のDX化を見据えた検討を進めています。

会社名:安田金属工業株式会社
URL:http://www.yasudametal.com/
事業内容:
昭和9年 創業。アルミニウム押出形材の製造販売、アルミニウム押出形材の表面処理加工を行う。

CIS担当者

“安田金属様に喜んでいただける活動をCIS One Teamで取り組んでいきます。 安田金属様のお客様に喜んでいただくための活動が、安田金属工業様に喜んでいただくことに繋がると考えています。 そのためには、今まで以上に安田金属様の立場で考えることを徹底して参ります。 ”

ソリューションサービス営業部

営業須田