フジパングループ本社株式会社様

AI検索で自社ナレッジの活用を促進 本社に集中する問合せ対応負荷軽減に手応え

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“蓄積してきた情報を活用したいという気持ちから始まった動きが、電話で尋ねるという文化を変えていこうという意識改革やDXのはじまりにつながったように思います。”

フジパングループ本社 システム部

お客様事業紹介

フジパングループ本社株式会社様は、1922年の創業以来「品質のよい美味しい商品を一生懸命につくり、真心を込めてお客様にお届けする」を使命とし、日本の家庭で愛される多くのヒット商品を世に送り出してこられました。グループでは、お客様の安全・安心・信頼を高めるため日々チャレンジを重ねておられます。

ご検討の背景

複数DBから情報を探し出す時間の短縮に『横断検索』が有効と感じたのがはじまり

生産部では、「品質の良い美味しい商品」の提供ために、その背景や経緯を表す様々なデータや文書をNotes/Dominoのシステムに集約してきました。例えば、ある商品の価格改定となると、原材料の見直しからはじまりますが、砂糖ひとつとっても多くの種類があり、取引先によって呼称が異なることもあるため、該当しそうな情報をたどるだけでも知識と経験が必要です。安定した品質で価格改定の影響をおさえたいとなれば、見直しは全原材料に及び参考にしなければならない情報も膨大になります。必要な情報を取り出すためには複数のNotes DBを一つずつ参照しなければなりません。かけた時間はコストとして跳ね返ってきますからスピードも要求されます。時間と手間、いわゆるサーチコストが課題となっていました。『横断検索』機能が多数存在するDBに有効そうだと感じたのが検討のはじまりでした。

サーチコストが高くなる背景には単純キーワード検索では上手くヒットしないという課題があることも分かっていました。原材料を仕入れる製造業においては、製品、材料、取引先によって使用する語句や言い回しが異なることが多く、何度もキーワードを置き換えては自身で検索結果から絞りこみをするか、その検索キーワードが思いつかない場合は上司や同僚、シニアな先輩に尋ねるしかない状態でした。AIが言葉のゆらぎを吸収できるということで、質問と回答の傾向をAIに学習させ、各種用語・語句・言い回しを同義語として登録すれば、『あいまい検索』しながら先達の知見をうまく抽出できるのではと考えました。

検討から導入への変化点は

誰もが参照できる文書が総務・人事規程で、改修の必要がないというのもポイントに

初期構築は1000ドキュメント(結果として返す回答の単位)からスタートということで、長年利用しているNotes DominoのグループウェアのDBのうち、生産系で検索対象としたいDBを数えたところ、膨大な量と数で試行には向かないことが判明し一旦見送ることにしました。代わりにまずは文書数が試行に適していて早期に効果が見込める総務・人事系の規程を検索対象とすることにしました。規程ならば利用する社員・従業員の誰が見ても良いもので、AIのトレーニングの点からも正誤が判断しやいと思われました。
実際、総務へは「休暇の取得方法」や「システムの使い方」など毎日質問が寄せられ、その難易度も様々で都度電話を受けた者がかかりっきりになることもありました。一部の質問は規程集や掲示板のDBを参照するだけでも解決できそうでしたし、さらにAIが話し言葉入力に対応できることで、気軽に入力された質問に対し、関連度順で検索結果を表示できるようになり、問合せの数を減らせると予想できました。これまでのQA対応の質問と回答例をセットにしてAIに学習させれば、複雑な質問遷移を考えずとも自社検索傾向が反映されたオリジナルの検索エンジンが作れることに期待が持てました。

導入にあたって

AIという敷居の高さは感じないが、トレーニングにはコツが必要だった

AIエンジンはIBM Watsonと聞いて最初は扱えるのか不安がありました。良い意味で期待を裏切られたのは約2週間後の初期構築が終わった時でした。見た目はCISさんのデモと変わりませんでしたが、入力窓から質問を入れたら検索一覧が出て、表示されたリンクをクリックしたら社内の元文書が開くという期待通りの動作に少し感動しました。この時、社内規程やPCに関するマニュアル類のNotes DBに直接手を入れることはほとんどなく検索ソースとできたので、専用の回答文書を用意するよりは手間も少なく、導入の壁が低くて良いと思いました。

難しかったのはやはり検索精度のところです。当社の検索意図を解釈できるようにするためのAIのトレーニングにはコツが必要でした。検索結果に対してフィードバックをしやすくするように○△×で評価する等、CISさんにも希望を伝えて、使いやすく改編してもらいました。その結果、総務や人事の分野では日本語として一般的な用語を使うので、検索精度を上げることが比較的容易なことも分かりました。一方で当社でしか利用しないオリジナル用語や取引先との材料などに関する業界用語などには、少々面倒ですが類義語・同義語の辞書を用意することが有効だということも分かりました。エンドユーザーに使い続けてもらうためには検索精度を上げていく必要があり、初期構築から1か月一度のペースでCISさんから支援を受け、検索範囲の拡大やそれに伴うチューニングを継続しています。

体感できる効果とは

気が付けば問合せ数が減り、個別の対応にかかる時間も短縮、約20%の負荷軽減に

当社では製パンに関わる工場や営業所も含めて全国に拠点が点在していますが、その端末の導入にもCISさんに携わってもらってました。新システムの導入時にはシステムに関連する問合せが多く寄せられるのですが、一日の業務時間の大半をその対応に費やしていることがありました。それらの問い合わせには下記のような特徴がありました。

① よく似た問合せが集中する
② 電話による問合せが多い
③ 以前に対応した人に再度問合わせが届く
④ 休日・祝日・時間外の問合せ対応に時間がかかる
⑤ システム・総務・人事の切り分けができていない問合せがある

問合せを受けるとまずはそこで切り分けがはじまりますが、本システムで検索をして、情報をしぼりこむことで、問い合わせの多くは解決します。解決しない段階でもここまで調べたという前提が対応する側にとってもヒントとなり、解決までのスピードが早まります。

問合せを受ける側の体感を表す例として
 ・マニュアルや規程等がどこに掲載されているという単純な質問が減った
 ・担当者不在時でも自分で確認して一時応答ができる範囲が拡がった
 ・今まで対応したことのない稀な質問に対して誰かに尋ねる前に検索するようになった

その他エンドユーザー側の例として良いものをとりあげるなら
 ・プライベートに関する内容でも検索できる (例:「特別休暇は何日取得できるか」)
 ・問合せ先の在席状況に左右されずに早朝や夜間でも調べられる
 ・たらい回し感が減って探していた回答にたどり着くまでが短くなった

本システムを導入したことにより、問い合わせの際、各人がまずは「自分で検索してみる」というアクションを最初にとるようになったのが大きな変化だと言えます。問い合わせる側と問い合わせを受ける側の双方で気遣っていたことが分かるのと同時に、「探している時間」や「待ち時間」など問い合わせに費やす時間と負荷(サーチコスト)を低減できたという実感が得られたようです。
単純に時間や工数に換算するのが難しいからこそ、これまで意識してこなかったサーチコストが見えてきたというのも効果の一つとしたいです。またArrowSearchの導入に際して、複数の担当エリアにまたがって課題解決に取り組めたのも良かったと感じています。

今後の展望について

検索対象となる情報の拡充を共に全社的なニーズに応えられる検索サービスに

今は本システムを使える状態にあるのが本社といくつかの工場に限られています。
また検索ソースの内容も総務部門やシステム関係のものに限られています。もともと検討していた生産系の他、各業務で検索が必要なシーンはもっと多く存在しているはずなので、各部門の検索ニーズにも応えていけるように検索対象を増やしていきたいです。全社展開して多くのフィードバックを検索精度に反映させることで、ナレッジシェアのような仕組みにつなげられたらもっと活用が促進されるのではないかとか期待しています。
今回の導入ではNotes Dominoが中心となっていますが、今後クラウドの利用など検索の対象となるシステムのバリエーションも広がりそうな動きにもCISさんの力を借りながら対応していけたらなと考えています。

会社名:フジパングループ本社株式会社
URL:https://www.fujipan.co.jp/
事業内容:
パン・冷凍生地、和洋菓子の製造と販売。 ベーカリー店の運営、ベーカリー店の経営コンサルタント。 コンビニエンスストア向けの弁当・おにぎり・調理パンなどの製造と販売。 外食産業・コンビニエンスストアへの原材料物流 等

CIS担当者

“ArrowSearchはフジパングループ本社様からのご意見を反映させてきたことで、使いやすさが増してきております。フジパングループ本社様の従業員の皆様が、SDGsの目標8の「働きがいも経済成長も」を今後進めていけるようにArrowSearchの機能拡張だけでなく、CIS一丸となってお手伝いしていけたらと考えております。”

DX推進事業部 先進技術推進部

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